黒革の手袋が世界一似合う男、Mr.グローブこと、 ライアン・ゴズリング初監督作
好み100%発揮で自分の撮りたいように撮った作品。
公開がオスロ出国直後だったので、帰国後お休みの日速攻で観て来た~。
デヴィッド・リンチや、友人でもある、ニコラス・ウィンディング・レフン作品に似てるという声も多いけど
全体的な雰囲気とか、映像の色味、カット割りの感じ、斜め下からドアップで見せる手法(リンチ)や、
レフンの「ドライヴ」にも楽曲を提供したジョニー・ジュエルのダークな電子音が使用されてるせいかも。
自然光のみで撮影されたダークな世界は、
撮影監督にブノワ・デビエを起用。
「アレックス」で撮影デビュー(←わたしこれ大嫌い)
「エンター・ザ・ボイド」や「スプリングブレイカーズ」の撮影で有名。
監督デビュー作に彼が選んだのは、決して万人受けを狙ったエンタメ的な要素のあるようなのではなく
崩壊寸前の街で生き抜く人々と街に潜む謎を巡るダークでミステリアス風なファンタジー。
脚本ももちろん、ライアン自身が。
カンヌでは失笑も起き評判はいまいちだったという事らしいけど、
ファンとしては楽しみに待ってました~日本での公開、ありがとう
ライアンは自身のTwitterでも日本版のチラシをupしていて気に入っていた模様。
ちなみに、レフン監督は、本作について
「美しく、素晴らしい映画だ。今も頭から離れない映像がたくさんある」とコメントしている。
主演、ビリーには「ドライブ」で共演のクリスティナ・ヘンドリックス。
ちょい、ジェシカ・チャステインと似た系統。
その息子、ボーンズには、TVシリーズ「エージェント・オブ・シールド」のイアン・デ・カーステッカー。
ちょっと存在感弱いな~。
シングルマザーで母親が一人で育ててくれたという境遇は自身に重ねてるのかも。
ミステリアスな影のある少女、ラットに、シアーシャ・ローナン。
夫を失ってからおかしくなっているお婆ちゃんと住んでいる。
お婆ちゃんには、昔のホラー女王、バーバラ・スティール。
街のワルに、ドラマ「ドクター・フー」のマット・スミス。
ビリーがお金のため仕方なく働く、ショッキングなステージを楽しむ過激なショーを行うナイトクラブのオーナーに
「プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ」で共演のベン・メンデルスソーン。
そのナイトクラブでの女王役で
実生活でライアンとの間に子供も出来たパートナーであるエヴァ・メンデスも出演。
衣装などの調達もエヴァがしてくれたそう。
娘ちゃんが出演する日も近い??
経済破綻し、住民たちがほとんどいなくなったとあるゴーストタウン。ボーンズは廃墟だらけの街でクズ鉄集めをしながら日々を暮らしていたが、生活は厳しくなるばかり。すでに家は差し押さえ寸前で、街を去るか否かの選択を迫られていた。追い詰められたボーンズの母、ビリーは金のために怪しげなショーを行う店で働くことを決意する。一方、ボーンズは近所に住むミステリアスな少女、ラットと行動を共にするようになる。年老いた祖母と暮らす彼女もまた、壊れゆく街に囚われながら、行き場のない不安と孤独を抱えており、二人は次第に心を通わせていく。そんな中、ラットは謎めいた噂話をボーンズに聞かせる。この街が 衰退した原因は、貯水池を造るために街の一部を水の中に沈めたとき、一緒に「あるもの」を湖底に沈めてしまったからだという。そのせいで、ここには呪いがかけられてしまったのだと―。真偽を確かめるために、湖底の街“ロスト・リバー”を探索するボーンズだったが、それを快く思わないギャングのブリーに目を付けられ…。
5/10(57点)
映像や世界観は良かったし、好みではあるんだけど
どうにも脚本がいまいち物足りない。
リンチ風と言われるのも分からなくもないけど、リンチの場合は不可解な世界観でも
今更言うまでもないし比べるのも可哀想だけど脚本が最高だし。
演出の手腕とか、まだデビュー作だしとかデビュー作でこれなら、という見方もあるけど
そこのところは意外と普通じゃないかなー。特に才能あるとかは思えなかった。
退屈じゃないだけまだいいけど、キャストの魅力やキャラを際立たせるとか
雰囲気だけで終わっちゃっていて、ファンタジーとしての訴えかける良さとか、
謎めいた部分の掘り下げ方がもう一つあればもっと面白くみせることも出来たような。
こんなシーンとか。ホラー苦手な人がみたら目を背けちゃいそうな
ちょっとホラーチックなシーンもあり、個人的には謎のカプセルのシーンがやっぱり
一番面白かったんだけど、それだけで終わっちゃった。
あ、ベンメンデルさんのエロダンス、良かった
周りのサポートと、ライアン自身がもちろん意欲的でもあるし今後に期待、だね
これだけこっち系統(一般ウケじゃない作風)なんだから面白い作品、撮って欲しいな。
もちろんファンとして今後も応援します
次は、主演じゃなくてもいいからやっぱり本人にも出てもらいたい
ライアンは本作について「カナダ出身の僕にはラップ歌手エミネムやフォード社の車など、アメリカンドリームを象徴したものが出てきたこの都市に興味を持っていた。ところが数年前にデトロイトを訪れたら多くの会社が倒産し、40マイルにもわたってたくさんの廃虚ビルがあった。そんな中で、自宅をなんとか保持しようとする家族が居て、アメリカンドリームを掲げてやって来た彼らは、急に悪夢に襲われた感じだったんだ。
そんな悪夢を抱える人々を描いた映画を製作しようと思った」と語っている。
さらに“あるもの”を湖底に沈めたというファンタジー要素を設定を通し、観客にもアプローチしやすく描いた作品。
ロスト・リバー / Lost River 予告編
LOST RIVER 2014年 アメリカ 95min
5月30日より、公開中~
カンヌ映画祭にて
エヴァ姉さん来なかったよう。
次回作は2016年に3本以上決定してるライアン。
ドラマ「ホワイトカラー」で人気のイケメン、マット・ボマーと、暴れん坊、ラッセル・クロウおじさんとの共演
「The Nice Guys」や、
ブラピやクリスチャン・ベール共演の
「THe Big Short」(監督は「俺たち、ニュースキャスター」のアダム・マッケイ)も2016年公開予定。
てことは日本でも早くても来年の暮れ?
ライアン、新作早くぅ~。
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